冠婚葬祭で休めない会社に勤めていた時のこと。

通常の会社に勤務している人から見れば考えられないことですが、飲食店の中には冠婚葬祭なのに休めないお店というものも存在します。

 

厳密に言えば「休みにくい」のです。

 

サービス業が土日に繁忙期がかぶるという部分もありますが、一生でそう何度とないイベントに立ち会えないのは虚しいものがあります。

 

 

ぶっちゃけ言います。

 

 

冠婚葬祭でスムーズに休みが許可されないお店に将来性はありません。

 

 

冠婚葬祭の法律上の定義

葬式や結婚式のいわゆる冠婚葬祭の時に、労働法上で休みを与える義務はあるのか?

 

 

答えを言うと「ありません」。

 

 

乱暴な言い方をすれば、会社側は従業員が祝い事や忌引で休みたいと申請してきた時に、法律の束縛は受けないのです。ぶっちゃけ断ってもいい。

 

とはいえ、

 

日本の慣習上、就業規則に「慶弔休暇」なるものを掲げているのが普通。というか常識です。

 

祝い事や弔い事に参加するのは常識になっていますので、法律上は義務ではなくても休日規定を厳格に定めている会社が多い。

 

 

こういった案配で社内規定として定めている会社がほとんどです。

 

また、慶弔休暇中の給料を「有り」にするのか「無し」にするのかも会社によってまちまちで、実はこういったちょっとしたことがトラブルになったりもするのです。

 

結婚式で休んだのに、その分が減給されていた。こんな話しもあるので、しっかり確認する必要があります。

 

飲食店の場合、この慶弔休暇さえあるのか無いのかあやふやな店が多いのが事実でしょう。

 

 

公休が慶弔休暇に振り返られた残酷な例

これは過去に寿司屋で働いていた時の話です。

 

新入社員の子で、入社して半年も満たない時分に法事があるので「慶弔休暇」を申し出てた人がいました。

 

通常の休日が月曜日サイクルのシフトで回っており、法事が日曜日にあたり、それに向けての休暇申請をオーナー社長に申し出ていたのです。

 

「何月何日の日曜日におじいさんの一周忌があるので休ませて下さい」

 

こんな事を申していたのですね。

 

それに対してオーナーが、

 

「よし分かった休め。」

 

 

「その代わりお前、月曜日出勤な」

 

 

こんな切り返しをしていたのですね。

 

これ横で眺めていて、唖然としましたね。

 

だって、慶弔休暇に無理やり通常の公休サイクルを当て込んでんすよ。それでもって一日の休みって・・・。

 

「いや、月曜は月曜で通常の休みじゃ・・・」

 

などと言ったら、

 

 

「何考えてんだおめー。連休なんか取れるわけねえだろ!」

 

 

と怒鳴られていましたね。

 

就業規則なんかあって無いようなお店でしたが、理不尽さは否めません。この新入社員、1年経たずして辞めていきました。

 

風の噂では、その一件以来、そんなふざけた会社は辞めろ!と親に説得されたのだとか。

 

 

 

結婚式後に夜の営業に出勤

 

これは私自身の実体験です。

 

親友の結婚式に参列するから休みたいという旨を、当時の上司である店長に申請した時の話し。

 

 

結婚式ってえてして、日曜日に開催されることが多いじゃないですか。

 

飲食店って地域によっては、日曜日がメチャクチャ忙しいお店も多いんですよね。特にお昼時なんかは、通常のランチ客と昼から飲んでくつろぐお客さんでごった返すなんてことはよくあること。

 

それを踏まえた上で前もって日曜日の慶弔休暇を言ったにも関わらず、メチャクチャ嫌がるんですよね。

 

 

「はっ!?誰の結婚式!?」

 

 

に始まって、

 

 

「そんなのお前いく必要あんの!?その日すげえ予約入ってんだけど」

 

 

などと嫌味を言い出す始末に。

 

というのも、その店長自身も過去に結婚式に参加できないという背景があって、そういった経緯を私が知っていた事もあってやたら強気に出てきたんですよね。

 

 

「俺も休めなかったから、お前も休むな」

 

 

とでも言いたいかのように。

 

 

その時の自分も甘かったのですが、このまま話しててもらちがあかないと思って、

 

「披露宴だけでて、夜は出勤します」

 

って言っちゃったんですよ。

 

そしたらまるでそれが当たり前かのように、「ああ頼むな」なんてわがもの顔で言ってて、このときばかりは軽く殺意をいだきましたね。

 

 

結婚式後に仕事を控えてるって結構悲惨です。

 

まずもって、祝いの席で酒が飲めません。めでたい席で祝福の盃が交わせないのです。

 

更には披露宴で帰るということは、親しい友人の結婚式なのに2次会に行けない事を意味します。

 

結婚式ってある意味でプチ同窓会のようなニュアンスもあります。

 

昔なじみの友達がガンガン酒をついでこようとするのに、それを拒否するのです。酒が飲める体質なのにです。

 

「このあと車を運転しなきゃだから」

 

などと、取ってつけたようなありきたりなウソを言わなければならない。

 

 

更には夜の営業に間に合わせなければなので、披露宴が終わり次第、速攻で切り上げて帰る必要があります。どれくらい速攻かって、ワイシャツの下はお店のTシャツを着込んでいるくらい。

 

「お前も2次会行くだろ!」

 

というお誘いに対して、

 

もはや「いや、この後仕事なんだよ」なんて非常識過ぎて言えないんですよね。なんか無性に恥ずかしいのです。

 

みんな盛り上がっている最中なのに。

 

 

「家の用があってさ・・・」

 

 

などと意味不明なウソを言いながらも途方にくれましたね。

 

 

しかも職場に戻ったら戻ったで、普通に業務が待っているだけです。

 

「結婚式どうだった?」

 

なんて気軽に声をかけてくれるような職場ではありません。むしろそんな事を気遣ってくれるなら休ませてくれるはずです。

 

普通に日常オペレーションにインするだけ。

 

 

 

葬式が休めなかった時

これも私の体験ですね。

 

葬式でお店を休めない時がありました。姉の旦那のお義父さんが亡くなった時の話しです。

 

けっこう急逝だったので、何も対応が出来なかったのです。そもそも葬式自体が突発的なもので予想も何もないのですが・・・。

 

しかも間が悪く時期が12月の月末で繁忙期の真っ只中だったんですね。

 

経営者に直接事情をはなし、3日後葬儀のための休みをもらいたい旨を話しました。

 

この時は、もうこの時点で、私がお店を休むなら「お店を閉めるか」「社員不在でバイトだけで回すか」しかない状況だったのですね。

 

店を閉める選択は予約状況からみても絶対不可能だったので、なんとかバイトだけで回すように話し合おうと思ったのです。あわよくば経営者自身にお店にたって欲しいという願いもありました。

 

 

アルバイトだけで回すのは無理だ。なんとかスケジュール調整してくれ」

 

 

こんな事を言い放たれましたね。

 

 

葬式のスケジュール調整だと!?どこにそんなふざけたフレーズがある!?こんな怒りを覚えましたよ。

 

 

そんなことできるわけもないので、葬儀に参加することをあきらめ、行けない旨を自分の母親に伝えました。

 

「仕事で来れないなんて、どう説明すればいいんだ!」

 

電話越しにこんな罵声を母親に浴びせられて、次に、

 

「こんなんじゃ、私が死んだ時もこれないね」

 

と綴られました。

 

 

 

冠婚葬祭を休ませないお店に明日はあるのか

飲食業は接客業です。

 

料理とサービスで客をもてなすのが仕事です。

 

 

大義名分を掲げ、「食を通じて社会貢献する!」こんな発言をするオーナーも多いことでしょう。

 

一人の従業員の犠牲のために、多数の顧客の迷惑は被れない!こんな考えの経営者もいるかもしれません。

 

 

私は正直、冠婚葬祭で社員を休ませないのは行き過ぎていると思うし、おかしいとも感じます。

 

 

とてもじゃないが、接客をなりわいとしているトップの発言とは思えなかった。

 

冠婚葬祭に参加もさせないで、何が接客なのか?そんな非常識極まりない中で、まともなスタッフ教育ができるのか?

 

 

 

 

 

自分では良かれと思ってやっているんですよ、経営者は。ほんとに。

 

しかし、大昔の考え方を今だに踏襲している会社に将来はないでしょうね。

 

今では情報の拡散の仕方が昔と違いすぎます。悪評は一瞬で拡散してしまう。

 

人が人をもてなす行為でビジネスをやっているのに、その中で働く人材を殺伐とした気持ちにさせて仕事のクオリティーが上がるわけがないでしょ。

 

 

余談ですが、上記に上げた3つのお店、個人経営や小さい会社だったせいもありますが、今全て存在していませんね。潰れてなくなってしまいました。