全人格労働の飲食店を抜けだしたその先には

拘束時間が異常なまでにロングな事から、人生の全てを仕事に捧げる飲食業。

 

まさしく寝ても覚めても仕事をしている状態です。

 

実は最近こんな「人生に全てを仕事に捧げている状態」がネットで話題になりました。

 

 

その名も「全人格労働」。

 

 

一体どうゆう事なのか?

 

飲食業との絡みから切り込みます!

 

 

 

今話題の「全人格労働」とは?

もうなんとなく言葉からも意味が察知できるかもしれませんね。

 

まさしく読んで字のごとくです。

 

 

<全人格労働とは>

 

労働者の全人生や全人格を業務に投入する働き方のこと。

 

産業医の阿部眞雄が2008年に著した『快適職場のつくり方-イジメ、ストレス、メンタル不全をただす』の中で提示された。

 

バブル崩壊以降の日本では、賃金やポストの上昇といった見返りが少ない職場が増えているうえに、解雇される恐れやノルマなどにより自然と過重労働に追い込まれることが多くなっている。

 

結果、将来に希望をもてずプレッシャーや強いストレスにさらされ、うつ病などのメンタルヘルス不調が年々増えているとされている。

 

コトバンクより

 

 

全人格労働というワード自体はもともとあったようですが、実はコレ最近のヤフーニュースでピックアップされて話題になりました。

 

有名な記事なので知っている方もいるかもしれません。

 

簡単に記事を要約すると、

 

 

「電車が緊急停車した際に、会議に遅れてしまう事を恐れた一人のサラリーマンが危険を顧みず、窓から車外に出て会社に向かおうとした話し」

 

 

です。

 

賛否両論で色々な意見が寄せられているようですが、私がこの記事を読んだ瞬間に感じた事は、

 

 

同じような事をしている人達が飲食業界には多数存在している!

 

 

ということです。

 

 

 

実録:全人格労働の飲食店

人生の全てを仕事に捧げるという意味では飲食業は非常に類似しています。

 

正確に言うと「飲食店に人生を捧げさせられている」のですが・・・。

 

私が飲食店で働いていた時も、上記の記事めいた事をやっている社員が多数いましたし、かくいう私自身も似たような事をやっていました。

 

要するに、「お店の事になるのならば、別の大衆に迷惑をかける事を厭わない」という事を自主的にやらされていたのですね。

 

 

ちょっとバカっぽい話ですが、ご興味があればお付き合い下さい。

 

 

他社の割引券を使用可能にしたある店長

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これは私がカフェの新米社員だった頃の話です。

 

売上が芳しくない当時の店長は、どうやったら売上を伸ばすことができるのか日々頭を抱えていました。

 

そんな矢先にすぐとなりに、ライバルカフェ店が新規で誕生した時の話しです。

 

 

まさに寝耳に水とはこの事で、売上低迷の中でライバル店の登場で店長は相当なプレッシャーを受けてました。

 

とはいえ当時は売上不振の中でも、唯一モーニングの売上だけは常連さんを囲い込んでなんとか好調を保っていました。

 

そんな時に、ライバル店が集客のために割引券を店頭で配り始めたんですよね。

 

「モーニングセット通常500円⇒300円」とかいうヤツです。

 

飲食業経験者の方ならご存知かもしれませんが、モーニングって一度その店に行くと、毎日出勤前に同じ店に行くという習慣を持っているお客さんがほとんど。

 

要はランチと違って、あれこれ毎日お店を変えるお客さんが少なく、同じところに行き続ける方が多い。

 

そんな客の動向を知っていた店長はこともあろうか、

 

 

[box_cf icon=”man” color=”orange”]よし、ライバル店の割引券、ウチでも使用可能にするぞ![/box_cf]

 

 

 

こんな事を言い出しました!

 

 

似たようなお店が隣接しているとよくある事なんですが、他社の割引券を間違えて持ってきてしまう客って案外多いのです。

 

その際に「コレは隣のお店のでして・・・」

 

なんて言うと、お客に逃げられてしまうなんて事がよくある。それが新規の方だと、常連化に失敗することを見込んでもかなりの機会損失につながる。

 

そういった事を恐れた店長は、

 

「〇〇店の割引券は、当店☓☓でも使用できます!」

 

と大々的に告知したのです!

 

 

すごい話ですよこれ。

 

だって他社の割引券が使えるってことは、今風に言ってみれば楽天の割引ポイントがアマゾンでも使えるのと同じこと。

 

 

当然の事ながら、隣のライバル店の幹部が乗り込んできましたよ。

 

「テメエらの店、どうなってんだ!!」

 

ってね。

 

まあ、こっちもマネージャーやら営業部長やらが出てきて謝罪し事なきをすみましたが。

 

 

これってでも、当時の店長は良かれと思ってやった事なんですよね。

 

本来そんなのルール違反であることなんて分かる事なんですが、とにかく売上を取ることに必死だったのでしょう。

 

まさしく、「お店の事になるのならば、別の大衆に迷惑をかける事を厭わない」という全人格労働の精神が全面に出てしまった瞬間だった言えます。

 

 

 

飲食業は全人格労働の温床

上記は一例ですが、飲食店で働いていると似たようなシーンを目の当たりにすることは非常に多い。

 

自分の全人格、全人生をすべて仕事に投入するシーン。

 

 

[check2 color=”orange”]・人員が足りなきゃ進んで休日出勤

 

・日計売上精算が合わなきゃ、徹夜でジャーナルを追う

 

・深夜のメニュー開発会

 

・休日に行われる産地訪問研修[/check2]

 

 

 

こういった事が、飲食業会では平然と行われている。

 

しかも何が驚くべきかって、

 

 

全てが個人の自主性の元で実行されている事です。更にはこの自主性が捏造された自主性って事実です。

 

 

簡単に言えば、無理やり自主的にやっている事になっている。

 

 

[normal_box2 color=”orange” border=”b3″]・他の社員、上司もみんながやっているから

 

・それが飲食業界の常識だから[/normal_box2]

 

 

こんな感じで、全体の強引な流れで突き動かされて、

 

「じゃあ俺もやらざるを得ないか・・・」

 

と結果的に自主的にやっている事になっているのですね。自主性を作り上げられてるのです。捏造です。

 

 

 

もういい加減、窮屈じゃないですか?

私もこういった業界に15年近く身を投じていました。

 

「お店の事になるのならば、別の大衆に迷惑をかける事を厭わない」事を沢山やってきましたし、全人格労働を実行してきましたよ実際。

 

 

でもね、ホントうんざりでしたよ。

 

 

飲食業を辞める最後の1年とか、売上に一喜一憂する上司や社長の顔を見ているとなんだか得体の知れない「怒り」がこみ上げてきましたね

 

こいつらと一緒に仕事をする人生で本当にいいのか?って。

 

俺はこいつらを潤すために全人格労働をしているのか?って。

 

こんな窮屈な人生で本当にいいのか?って。

 

 

 

私が飲食業を抜け出すためにやったこと

これはあくまでも私自身の事例として参考程度にとどめて下さいね。置かれている状況は人それぞれだと思いますので。

 

 

私が飲食業界を抜け出すためにやったことは、

 

 

会社の逆張りを行った

 

 

という事に尽きます。

 

 

一体どうゆう事か?

 

 

例えば、

 

 

[finger2 color=”orange”]・会社が紹介する本⇒読まない

 

・会社が紹介するセミナー⇒行かない

 

・会社の懇親会⇒付き合わない[/finger2]

 

 

 

こういった事を辞める為にドンドン実行していきました。

 

 

誤解のないように言っておきますが、紹介される本やセミナーを否定するという意味ではありません。

 

というのも飲食業に従事する人が紹介するジャンルの本やセミナーってある意味で偏っています。

 

私の場合、そういった類の物を会社の言われるまま鵜呑みにしてインプットしていたら、ますます飲食思考から抜け出せなくなると考え、一切切り捨てていく方向でいったのです。

 

偏った考えを改めるには、新鮮な別の思考に触れていく必要が強いと考えた。

 

 

歓迎会・送別会の類の飲み会もしかりです。そこで飲食業にまつわる戦術的な話しに巻き込まれたら終わりだとも捉えていました。

 

流石に全部の飲み会を拒否しきる事は出来ませんでしたが、行っても乾杯だけしてまともな会話もせずにすぐに帰ってましたよ。

 

自分の場合、業界に浸かっている期間が長かったので、まずは思考そのものをリセットする必要があると感じていたのです。

 

 

また飲食業界って驚くほど、IT通信・ネットに疎い上層部が多いのが実態です。料理や接客のイロハはこれでもかと熟知しているのにインターネットの知識が全く無い。

 

現場がアナログの連続なのでいたしかたのない事ですけどね。

 

そこも逆張りで、ネットに興味があった私はむしろドンドン、上層部の疎いIT関連の勉強を深めていきましたね。

 

「こいつら、有名な先人の本とか詳しいくせに、ネットの知識はまるでねえな」

 

と蔑む一方で、どんどんインターネット関連の知識をつけていきました。

 

 

更にはもともと文章を書くことが好きだった性分もあり、ブログやHTMLサイトを使ってどんどん色々な情報を発信していくようにも努めました。

 

そうこうしているうちに結構なITの知識が蓄積されていったんですね。それだけ知識を蓄えられた頃には、

 

「これなら他業種にもチャレンジできるのでは?」

 

と考えるようになりました。

 

飲食業から足を洗って、転職活動に踏み切り始めたのがちょうどコレぐらいのタイミングです。

 

 

私が使った転職エージェント

 

私が飲食業内を渡り歩く際に使った転職エージェント

 

 

最後に

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全人格労働から私が飲食業を抜け出すためにやったことを書きました。

 

飲食時代にとにかく嫌だった事が、仕事だけの人生にウンザリしている上層部の人間がいなかった事です。

 

仕事こそが人生。人は働いてなんぼだ。経営陣はこんな空気感を全面に出している人ばかりだったんですよね。

 

言えば、全人格労働で何が悪い!とでも言わんばかりの空気感。

 

 

私も無知で世間知らずの時分には、その中でやってはいましたけど、いい加減ついていけなくなりましたね。時代錯誤も甚だしいというか。

 

ネットに精通してからは余計そう考えるようになりました。

 

 

飲食を離脱後の今現在全くストレスのない生活を送れているのか?と聞かれれば皆無ではないというのが本音です。

 

とはいえ飲食時代に感じていたような全人格労働からくる得体のしれないストレスは感じているか?と聞かれれば、それは全く感じてないという即答はできます。

 

何よりも自由な時間を手に入れた感が、非常に心地良いです。